燻製の王者、べーコン。
一度手作りすると、その圧倒的な旨味と香りに驚かされることだろう。
しかし、初めてやるにはなかなか気後れしてしまうもの。
そこで、僕が普段行っているベーコンの作り方を紹介していく。
ベーコンを作ろう
材料
材料: 肉、塩、胡椒、砂糖、スモークチップorウッド
必要なのは肉・調味料・燻製材の三つだ。
肉はどの部位でもいいが、やはり脂がうまいのでバラ肉をおすすめする。
塩・砂糖は肉の重量の3%~5%の量だ。
今回の肉は約320gなので、12gの塩と砂糖を用意した。
塩漬けではなく、ソミュール液という調味液につけ込むやり方も存在する。
僕は手軽な塩漬け法でやっている。
行程① 塩漬け
まずは、全体をフォークで滅多刺しにする。
これは塩の通りをよくするためだ。
側面も忘れずにやっておこう。
ビニール手袋を装着すると衛生的でいい。
全体に塩・砂糖・胡椒をすり込んでいく。
塩だけだと尖った味になるため、砂糖も加えることをおすすめする。
気にしないのならば塩だけでいい。
側面も(省略)
行程② 密封
全体にすり込み終わったら、ジップロックに入れる。
偶然ローリエをもらったので入れてみた。
この時、内部に空気が残っているとよくない。
そこで、袋を半分水の中に浸すという空気抜き方法を使う。
ボウルに水を張り、袋の空気を水中で押し出すのだ。
そうすると、水圧により新たに空気が入ることがない。
地道に続けていくと、真空に近い状態に持っていける。
雑菌の繁殖が怖いので、きっちり行おう。
行程③ 熟成
冷蔵庫で四日~七日ほど熟成させる。
一日一回、上下を入れ替えてあげるといいらしい。
自重と塩の回りが関係しているのだろうか?
行程④ 塩抜き
熟成が終わると、塩抜きの工程に入る。
写真では伝わり辛いが、塩漬けで鮮紅色が強くなっている。
ボウルに水を張り、塩漬け肉を投入。
最低でも3時間は浸けておく。
当然水に汚れや塩分が流出するので、何度か水を入れ替える。
今回は12時間塩抜きをした。
塩加減が気になるなら、一度端を切って焼いてみるといい。
行程⑤ 下ゆで
衛生面のため、僕はここで一度火を通すことにしている。
しかし、下ゆですると旨味が一気に流出してしまう。
対策として、再びジップロックに入れ、間接的に火を通していく。
この際、僕は袋内に昆布や日本酒を少量加えている。
そうして空気を抜いて、お湯を張った鍋に投入。
バラ肉は加熱により肉汁を出し、調味料と融合する。
旨味成分は、数種類を合わせることにより相乗効果を発揮する。
バラ肉の旨味成分はイノシン酸、昆布はグルタミン酸。プラス酒のコハク酸。
つまり、袋内で濃厚なスープが形成され、肉はその中で煮られることになる。
これなら流出するどころか、さらに旨味を付与できるという訳だ。
この時、袋が鍋肌の熱で溶けないように気を付けよう。僕は念のため二枚重ねでやっている。
行程⑥ 寝かせ
下ゆでが終わったら、袋から取り出さずに一日冷蔵庫で寝かせる。
徹底的に旨味を染み込ませていこう。
この出汁をお湯で割ると、素晴らしいスープになる。
少し肉の臭みがあるので、胡椒やゆず皮を加えるとうまい。
行程⑦ 乾燥
次は乾燥だ。表面をキッチンペーパーでしっかり水気を取る。
拭き取った後は一日しっかりと乾燥させる。
やり方はラップをせずに冷蔵庫に入れたり、扇風機や脱水シートを使うなど。
表面がカサカサになったらOKだ。
燻製開始
いよいよ燻製だ。
皮の方を上に向け、ウッドに火を点けて放置。
皮を上に向ける理由は、流れる肉汁が身に染み込むようにするため。
後はウッドに当たりにくくするためだ。
特に気にしないなら下でもいい。
二時間半ほど待ち、完成!
桜の甘い薫香がたまらない。
こんな香りを嗅がされては、満腹でも喉が鳴るというもの。
手間暇かけた甲斐があり、もう筆舌に尽くしがたい味だ。
スモーキーな香りが鼻を通り、バラ肉の脂がドカンと暴れる。
薫香により、脂は香り高く、甘く、舌をとろかしそうだ。
ご飯がすごいスピードで消える。もう最高だ。
終わり
厚く切って焼くもよし、薄く切ってベーコンエッグにするのもよし。
自分で作ったベーコンの味は、感動するほどにうまい。
少し手間はかかるが、興味のある方はぜひやってみてほしい。
絶対うまいから!!!!