2021/7/19 和歌山・太地一人旅

旅行

どうして人は、夏になると何かをしたくなるのだろう。

夏に出かけるなら、海を見たい気持ちがある。

そこで、前から気になっている場所があった。

和歌山の南に位置する鯨の地、太地町。

日本で唯一、鯨専門の博物館があるらしい。

これはもう行くしかねえ!

宿は「いさなの宿 白鯨」。

名前に惹かれて予約してしまった。

今回の旅は、心から夏を感じる旅になった。

一日目

特急に乗って太地駅を目指す。

いつもは高速バスだから、新鮮な気分だ。

車窓から海が見えた瞬間、心が浮き足立つ。

和歌山南部へ行くなんて、滅多にない経験だ。

11:30 太地到着

太地駅に到着。

耳を割りそうな蝉の声、木々に囲まれた無人駅、照りつける日差し。

電車から出た瞬間、夏に包まれたようだった。

どこか懐かしい気持ちだ。

夏休みに田舎へ帰るようなことに縁がなかったため、心から感動した。

ぼくなつをプレイしているようだ。

やったことはないけれど。

駅の壁には鯨の絵がたくさん描かれている。

鯨の町ならではの光景だ。

郵便ポストすらも鯨だ。

テンションが上がってしまう。

百点満点の青空だ。

夏の日差しが凄まじい。

道を歩いている人間は僕以外誰もいなかった。

ブロック塀の側を歩いていると、ひっきりなしにトカゲが現れる。

辺りは青い空気で満ちていた。

12:30 道の駅たいじ

そこそこ歩き、「道の駅たいじ」に到着。

お昼はここで食べることにする。

鯨の竜田揚げ定食を注文。

食材としての鯨は臭みに固さと扱いが難しい。

鮮度に大きく左右される食材だ。

正直、そこまで期待していなかったのだが……。

想像より遙かにうまい!

臭みはないのに鯨感は損なわれていない。

肉は柔らかく、下味がしっかり付いていて大変食べやすい。

食事を終え、博物館の方を目指す。

のどかな景色だ。

自転車で思い切り駆け抜けたくなる。

鯨のモニュメント。なんと実物大のサイズなのだ。

やっぱり鯨は大きいなあ……。

鯨の尾。でけえ。

海沿いにある壁にはシャチが描かれていた。

裏面の絵はまた後ほど。

捕鯨船。これで人々は海に出ていたんだなあ。

メルヴィルの白鯨を彷彿とさせる。

こっちにも鯨ポストが。かわいいですね。

12:40 くじら浜海水浴場

博物館を一旦スルーし、先にくじら浜海水浴場に向かう。

なんと、ここで小型の鯨が海で公開展示されるそうだ。

海パンに着替え、海に飛び込む。

辺りはカップルか家族連れしかいない。

正直めっちゃ浮いていた。

やがて鯨が現れたのだが、浅瀬からではよく見えなかった。

近寄って見に行きたいが、一人で足を攣って溺れたらダサいなんてもんじゃないので自重。

僕は何しにここへ来たのだろう……?

そういえば、全身で海に入るのは久しぶりだ。

大人しくぷかぷか浮かぶことにする。

それだけでも結構心地よかった。

13:40 くじらの博物館

着替えると、強い日差しがあっという間に身体を乾かしてくれた。

気を取り直してくじらの博物館に入ってみる。

館内にはたくさんの骨格が展示されている。

鯨好きには嬉しい場所だ。

シャチくん。魚類相手に哺乳類の骨格はチートすぎる。

ただただデカい。

鯨のヒゲを確認できる。

こいつで小魚だけを漉しとるのだ。

どんな香りなんだろう……。

クジラショーを求めて外のエリアに移動する。

シロナガスクジラの骨格標本。

どこか神々しさすら感じる。

現物は山口県で展示されているらしい。

いつか行ってみたいものだ。

ふれあい桟橋に移動。餌やりは一回300円だ。

思ったよりも人懐っこい。

真っ白い鯨もいた。

ハナゴンドウの白変種らしい。

クジラショーは面白かった。

指示を出すスタッフさんの動きが、やたらキレキレでかっこよかった。

あの先の景色を見たいが、ここからは立ち入り禁止だ。

満足したので博物館を後にする。

それにしても、本当にいい天気だ。

テトラポットの側で海を眺める。

もっと色々散歩したいのだが、あまりにも夏の日差しが強すぎて断念。

身体を使い続け、疲労も確実に溜まっている。

大人しく宿に向かうことにする。

15:30 いさなの宿 白鯨

宿に到着。

チェックインまで時間があるので待っていると、中から従業員さんが現れる。

もうチェックインしてもいいとのこと。心遣いがありがたい。

もしくは不審者だと思われたのかもしれない。

外観も真っ白だ。

やはり和室は最高だ。

一人で泊まるには十分すぎる広さである。

身体を清めるため、さっそく大浴場に移動。

疲れのせいか、信じられないほど気持ちいい。

湯の知識はさっぱりだが、何となく質のよさを感じる。

和歌山の温泉は、自分の身体に合っているのかもしれない。

18:30 夕食

畳の上でくつろぎ、夕食の時間に。

平日ということもあり、客は二組しかいない。

箸置きも遊び心があっていい。

鯨のコースをいただく。

写真はないが、赤だしが過去一でうまいと思える味だった。

鯨の脂はやはり汁物で輝くと思う。

鯨といえばハリハリ鍋。

水菜との相性は言うまでもなし。

竜田揚げは抹茶塩で。上品な味がする。

壁の絵がお見事。

時計までもが鯨だ。

鯨を食べ尽くし、部屋でくつろぐことにする。

一人で知らない地の和室に泊まるのは、少し怖かった。

数日前に怖い話を調べてしまった自分を呪う。

窓の景色は真っ暗で、夜の海の波音が聞こえてくる。

いつまでも起きている訳にもいかず、観念して電気を消す。

しかし、思っていたより疲労が溜まっていたらしく、目を閉じた瞬間眠ることができた。

間違いなく人生で一番早い入眠だった。

二日目

5:30 起床

早朝に目を覚ます。

何故か異様に眩しい。

障子から陽光が貫通している。

不思議に思って外を見てみると……。

目映い朝焼けがそこに広がっていた。

太地は東を向いた土地だ。

夕陽が見えない分、朝日を阻むものはない。

7時でこの明るさである。

7:30 朝食

朝ご飯をいただく。

どうして旅館の朝食は、ワクワクしてしまうのだろう。

「朝から小鉢でいくつもの和食を食べる」という行為が、日常生活ではできないからかもしれない。

栄養バランスの整った食事に舌鼓を打つ。

さすが和歌山、梅干しがうまい。

梅干しにも種類があるが、僕は塩で漬けたクソしょっぱい梅干しが好きだ。

旅館で朝食を食べる時間は、何だか特別な気がする。時間の流れが緩やかだ。

ゆっくりと朝食を堪能する。

9:00 散策

旅館を出発し、周囲をのんびりと散策する。

道端の階段を進んでいくと、自然に囲まれた場所に辿り着いた。

それにしても、何だか周囲から獣臭がする。

嫌な予感がして辺りを警戒。

野生の猪だったら洒落にならない。

正体はこの子だった。

10:00 くじらの博物館

再び鯨の博物館に向かう。

同じ場所なので写真は割愛。

クラゲの水槽も展示されていた。

今日はイルカショーを見物する。鯨とはまた違ったよさがあった。

イルカショーが終わったので、桟橋でまた餌をあげてみる。

手を振ったらなんと振り返してくれた。

これは偶然だったのだろうか。

11:00 出発

太地駅に戻るため、博物館を後にする。

シャチの裏側はミンククジラだった。

やはり駅までは距離がある。

でも、こんなシチュエーションは結構好きだ。

季節も大いに関係していると思う。

夏に田舎道を歩くのはいい。

三十分ほど歩いてから、道の駅たいじで昼食。

今日は鯨のスタミナ丼だ。甘辛くてうまい。

本当に美しい景色だ。

ただ道を歩いているだけなのに心が洗われる。

空気がめちゃくちゃうまい。

無人駅にて電車を待つ。

周囲の地形のせいか、常に駅内を涼やかな風が通り抜けている。

真夏なのに寒くなり、日向に出て身体を暖めるほどだった。

一時間ほど待っていた。

何だか色んなことを考えていた気がする。

やがて電車が到着。少し寂しい気持ちだ。

さらば太地。いいところだった。

やっぱり夏は最高だ!

終わり

夏に海に鯨と、個人的には充実した旅だった。

海や鯨が好きな人にとっては、きっと楽しめる場所だと思う。

何より、のどかで大変気持ちのいいところだ。

夏を感じたいと思う方は、太地を訪れてみてはいかがだろうか。

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